【血統こらむ】第3回知っておきたい「ヘイルトゥリーズン系」

りんの血統コラム 競馬コラム

私の「血統こらむ」も、3回目を迎えました。

前回は、「ノーザンダンサー系」を紹介しましたがお読みいただけましたか?

ノーザンダンサー系は、ヨーロッパにおいてサドラーズウェルズ系や、ディンヒルをはじめとしたダンジグ系の成功で、主流血統になっています。

しかし現在の日本競馬では、ノーザンダンサー系は主流のサイアーラインとは言えないでしょう。

日本では、昨年に惜しくも天に召された

「ディープインパクト」

が、2011年以降リーディングサイアーに輝き続けています。

今回は、そんなディープインパクトも属する

「ヘイルトゥリーズン系」

を紹介します。

ヘイルトゥリーズン系

日本の近代競馬は、1991年にアメリカから輸入された

サンデーサイレンス

の登場で、血統図が一変したといっても過言ではありません。

サンデーサイレンス血統表
「りんの競馬予想術」オリジナル
CC BY-SA 3.0
サンデーサイレンス血統表

サンデーサイレンスの血統表を見ると、父系の2代目にヘイルトゥリーズンがいます。

サンデーサイレンスは、1995年~2007年の間、実に13年連続でJRAのリーディングサイアーに君臨し、ディープインパクトを筆頭とした、40頭を超えるGⅠ馬を輩出しました。

■サンデーサイレンスの主な産駒

  • ディープインパクト:クラシック3冠などGⅠ7勝、2011年~日本リーディングサイアー
  • スペシャルウィーク:日本ダービー、天皇賞春秋連覇など
  • サイレンススズカ:宝塚記念など
  • 他多数!

ヘイルトゥリーズン血統表
「りんの競馬予想術」オリジナル
CC BY-SA 3.0
ヘイルトゥリーズン血統表

ヘイルトゥリーズンは、アメリカで1958年に生まれました。

競走馬としては、2歳時のみの出走で18戦9勝。

主な勝鞍は、当時のアメリカ2歳王者決定戦だったホーポフルSなどです。

ヘイルトゥリーズンは、調教中のアクシデントで、完治に約2年もかかる重度の骨折を負ってしまい、クラシックレース出走は叶わず引退してしまいました。

種牡馬入りしてからは、クラシックレース勝ち馬をコンスタントに輩出し、1970年に

北米のリーディングサイアー

となります。

前回紹介した、ノーザンダンサーと同じく、Nearco(ネアルコ)を共通の祖先に持っていますね。

■主な産駒

  • ヘイルトゥオール:ベルモントSなど
  • プラウドクラリオン:ケンタッキーダービーなど
  • パーソナリティ:プリークネスSなど、1970年米国年度代表馬
  • ロベルト:イギリスダービーなど、1972年イギリス最優秀3歳牡馬

これを見れば、ヘイルトゥリーズンが一流の種牡馬だったことは分かります。

しかし、ヘイルトゥリーズンのすごいところは、

世代を経て一大勢力に成長

したことです。

イギリスダービーを制したロベルトは、種牡馬としてブライアンズタイムやシルヴァーホーク(グラスワンダーの父)、クリスエスなどを輩出し、子孫も繁栄しています。

また、気性難の影響で競走成績は二流だったヘイローが、サンデーサイレンス(米クラシック二冠)をはじめ、GⅠ7勝の名牝グッバイヘイロー(キングヘイローの母)、1983年アメリカ2歳王者デヴィルズバッグ(タイキシャトルの父)などを出し、大成功しました。

■日本の主なヘイルトゥリーズン系種牡馬

  • ハーツクライ
  • ダイワメジャー
  • キズナ
  • エピファネイア など

ヘイルトゥリーズンの子系統

ヘイルトゥリーズンの産駒で、現在でも繁栄している子系統は、主に

ロベルト系

ヘイロー系

です。

ロベルトとヘイローは、ともに1969年生まれで、生産から50年以上経っています。

日本では、サンデーサイレンス(父ヘイロー)やブライアンズタイム(父ロベルト)が大成功し、多くの馬の血統表でヘイローやロベルトの名を確認できます。

ですので、「親系統にしていいじゃないか」と思われるかもしれません。

しかし、世界的に見ると、ロベルトやヘイローを含む馬が過半数を占めているとは言えません。

一方のヘイルトゥリーズンは、サドラーズウェルズの母の祖父としてもその名を残しているので、世界の血統を見渡したときに、多くの馬の血統表でその名を確認することができます。

サドラーズウェルズ血統表
「りんの競馬予想術」オリジナル
CC BY-SA 3.0
サドラーズウェルズ血統表

サドラーズウェルズの産駒は、ヨーロッパだけでなく、アメリカでもエルプラドが2002年のリーディングサイアーになり、その血統が浸透しはじめました。

また、エルプラド産駒のキトゥンズジョイも2013年と2018年にアメリカでリーディングサイアーに輝いたため、サドラーズウェルズの名を多くの馬の血統表で確認できます。

つまり、サドラーズウェルズの血統の広がりと、ヘイルトゥリーズンを持つ馬の数は比例して増えることになります。

この点が、ヘイロー系とロベルト系を親系統ではなく、子系統とした理由です。

ヘイルトゥリーズン系の活躍馬

ディープインパクト

引退後のディープインパクト photo by写真AC
引退後のディープインパクト photo by写真AC

■戦績:14戦12勝

■主な勝鞍:クラシック三冠含めGⅠ7勝

■種牡馬成績:2012年~19年日本リーディングサイアー

■主な産駒:ジェンティルドンナ(牝馬三冠)、キズナ(日本ダービー)、他多数

ディープインパクト血統表
「りんの競馬予想術」オリジナル
CC BY-SA 3.0
ディープインパクト血統表

無敗でのクラシック三冠制覇、8年連続リーディングサイアーetc…

ディープインパクトは、もはや説明が不要なレベルの名馬ですね。

種牡馬としても大成功し、数多くのGⅠ馬を輩出しました。

2019年に、惜しくも亡くなってしまいましたが、記憶にも記録にも残る名馬でした。

また、ディープインパクトの初年度産駒であり、2019年から産駒がデビューしたリアルインパクトが、ラウダシオン(2020年NHKマイルC)を出しました。

今後も、ディープインパクト産駒の種牡馬が活躍し、サイアーラインとしてその名が後世に残ることを期待したいと思います。

■ディープインパクト産駒の種牡馬

  • リアルインパクト
  • キズナ
  • サトノダイヤモンド など

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

ヘイルトゥリーズン系は、世界的に見ると主流のサイアーラインではないかもしれませんが、現代競馬に大きな影響を及ぼしていることがお分かりいただけたかと思います。

特に日本では、サンデーサイレンスが大成功しました。

その血統を世界に還元するべく、毎年のようにディープインパクト産駒がヨーロッパのクラシックレースに参戦しています。

サラブレッドの血統に、国境はありませんからね。

では、今回はこのあたりで失礼いたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました